「寄り添っているはずなのに…」そう感じたことはありませんか?
こんにちは。かつては部下から「パワハラ上司」と陰口を叩かれ、上司へのゴマすりがバレて左遷されかけた、不器用なプレイングマネージャーです。今でこそこうして偉そうなことを書いていますが、昔の僕は本当にひどいものでした。
「部下に寄り添わなきゃ」と頭ではわかっていたんです。だから、部下がミスをして落ち込んでいるときに、わざわざ席まで行って「気持ちはわかるよ、俺も昔はそうだったから」と声をかけたり、残業中の部下に「大変だよね、何か手伝おうか?」とニッコリ笑いかけたりしていました。
でも、結果はどうだったか。部下はどんどん心を閉ざし、最終的には「〇〇さん、少し距離を置いてもらえませんか」とまで言われてしまったんです。……正直、地獄でしたよ(笑)。
「寄り添う」=「相手の懐に入ること」だと思っていた大誤算
僕が失敗していた理由は、シンプルでした。「寄り添い」を「相手の領域に土足で踏み込むこと」だと勘違いしていたんです。人間関係において、理屈や正論は武器にはなりません。むしろ、相手の心理的な防衛本能を刺激するだけの「凶器」にすらなり得ます。
当時の僕は、部下の歩調を無視して、自分のペースを押し付けていたんですね。これでは、寄り添うどころか「支配」に近い。詳細は「歩調」を合わせようとして部下が逃げ出した…僕が学んだ、相手を支配しない『本当の寄り添い方』の記事でも触れていますが、まずは「相手のペースを尊重する」という姿勢が欠けていたのです。
部下の心に火を灯す、たった一つの魔法のフレーズ
では、どうすればよかったのか。答えは非常にシンプルですが、威力は絶大です。ポイントは「解決策を提示すること」ではなく「相手が抱えている感情を、そのまま受け止めること」にあります。
もし部下がミスをして落ち込んでいるなら、「次はこうすればいいよ」というアドバイスの前に、こう伝えてみてください。
「今、どんな気持ちか聞かせてもらってもいいかな? 僕も一緒に考えてみたいんだ」
このフレーズのポイントは、自分の意見を一切挟まず、相手の「感情」にフォーカスしている点です。人は、自分の感情が理解されたと感じた瞬間に、相手への信頼度を劇的に向上させます。これは心理学で「受容と共感」と呼ばれるプロセスです。
「労いの言葉」すらも逆効果になる罠
もう一つ、よくある失敗が「労い」の押し売りです。「よく頑張ったね」という言葉、良かれと思って使っていませんか? 実はこれ、相手との関係性やタイミングによっては、部下を突き放す言葉になりかねません。
僕も昔、部下の成果に対して「よく頑張ったね、さすがだよ」と声をかけたら、部下が露骨に冷めた反応を見せたことがあります。理由は簡単で、僕が「どの部分を、どう評価しているか」という具体性が欠けていたからです。単なるお世辞や、上からの評価として聞こえてしまったのですね。詳しくは「よく頑張ったね」で部下が凍りついた…僕が学んだ、心に刺さる『本当の労い』の魔法で詳しく解説していますが、寄り添いとは「相手をただ称賛する」ことではなく「相手の努力のプロセスを共に味わう」ことなのです。
今日から実践できる「寄り添い」の極意
最後に、僕が左遷の危機から救ってくれた「寄り添いの技術」をまとめておきます。人間関係の構築は、積み木のようなものです。一気に高く積もうとせず、一つずつ丁寧に置いていくことが大切です。
- 「解決」を急がない:部下は答えを求めているのではなく、理解されることを求めています。
- 「聞く」に徹する:自分の過去の武勇伝は、飲み込んでください(笑)。僕も未だに喉まで出かかりますが、グッと堪えています。
- 「感情」を言語化する:「それは悔しいよね」「不安になるのも無理はないよ」と、相手の感情に名前をつけてあげるだけで、相手の心は不思議とほどけていきます。
人間関係って、本当に難しいですよね。でも、ちょっとした言葉の選び方を変えるだけで、驚くほどチームの雰囲気は変わります。僕のような不器用な人間でも変われたんですから、あなたにできないはずがありません。
明日からのマネジメントで、まずは「聞く」ことから始めてみてください。あなたの温かい寄り添いが、きっと部下の心に小さな火を灯すはずです。
